返済生活を安定させる家計管理術
借金地獄に突入した当初の私には、何日にいくらの金額を支払うのか把握しておらず、残高不足で支払いを遅らせてしまったことが何度もありました。支払いを管理して貯蓄が出来る様になるまでには5年程かかりました。私が自転車操業を経て身につけた家計管理術を公開します!
- ①はじめに
- ②固定費の見直し
- ③ネット銀行で現金の見える化
- ④家計簿アプリで支出の見える化
- ⑤カレンダーアプリで支払日を管理
- ⑥証券口座で現金を守る
- ⑦借金地獄脱出に向けて
- まとめ
家計見直しは手間と時間がかかるものですが、一度設定してしまえば完全に自動化できます。お金を蓄え守るスキルは、文字通り一生モノの財産です。
生活をしていれば必ず発生する固定費、これらは見直すことで必ず安くなる道があります。その時期により最も安いサービスは異なるので、現在進行形で高い金額を払っていると思う項目から調べてみてください。
家賃
●固定費の中でも特に大きな割合を占めるのが家賃です。引っ越し費用を用意するのは大変ですが、家賃が1万円安い家に引っ越すだけで年間12万円の節約効果があります。ある程度家計改善が進んだら考えてみましょう。
電気代&ガス代
●ライフラインの中でも電気代とガス代は自由化になったため、好きな会社を選ぶことができます。使用する時間帯により安くなるプランなど、各社いろいろなサービスを提供しているため、ご自身の生活リズムにあった会社を探してみてください。
通信費
●携帯電話の契約が大手キャリアの場合は、格安SIMへの切替を検討してみてください。私はドコモからnuroモバイルに切替して10000円ほど安くなったことがあります。
●複数のスマートフォンを持っている方は、ポケットWi-Fiを併用するのも節約につながります。スマホを格安SIMの最低容量1-2GBで契約して、Wi-Fiを使い放題プランがあるUQを選びます。それだけで全ての端末で通信容量無制限を実現できます。
保険料
●年齢が若い内は医療保険/生命保険/介護保険は必要ありません。ケガや病気をしなければ、無駄になるだけです。その分のお金を貯金しておいて、必要になった際に引き出す方が効率的です。
●そもそも日本は保険制度が充実しています。いざという時でも健康保険や高額療養費制度を利用すれば、医療費のほとんどが払い戻しされます。
●対象が他人となる自動車保険だけは加入しておきましょう。
現在利用している銀行に何かこだわりはありますか?多くの方は「近所に支店があった」「会社の指定だった」という理由で口座開設したまま使い続けているのではないでしょうか。リアル店舗が主体の銀行は、店舗の維持費や人件費に割をさいています。営業や人の手を使わないネット銀行は、手数料やサービスの面で優れている場合が多いです。一例として住信SBIネット銀行のサービスをご紹介します。
アプリからいつでも残高を確認できる
最近は地方銀行でもアプリで残高を確認できる場合が多いため、ネット銀行独自のサービスとは言えないかもしれません。ですがネット銀行だからこそアプリ機能に力を入れており、地方銀行のアプリとは比べ物にならない程便利になっています。
キャッシュカードにデビット機能がついている
多重債務者や金融ブラックの方は新規でクレジットカードを発行できない場合が多いです。信用情報を早く回復させるには、金融機関に見える形でお金を使用して、確実に支払っていくことが重要です。普段の買い物を現金で支払っていると何の記録にも残らず、お金の使い方や流れが不透明になってしまいます。カードを使用して電子的に記録を残し、引落日に銀行の口座から遅滞無く現金が支払われることで、銀行が自社で記録している信用情報がプラス方向に蓄積されていきます。クレジットカードが使用できない方は、デビットカードを利用して与信回復を目指しましょう。
ATM手数料&振込手数料無料
多重債務を抱える人は、現金の移動が多くなるものです。利用状況にもよりますが、SBIでは基本的にランク2以上が確定しているため、毎月5回までATM手数料と振込手数料が無料になります。多くの銀行が220円/440円という手数料であることを考えると、利用回数が多い私たち債務者にとっては都合がよいサービスです。また振込や口座振替はアプリから操作できるため、コンビニに行く必要すらありません。お金だけでなく時間も節約にも繋がります。
複数のオリジナル口座を作成できる
普通預金の代表口座以外にも「車検用」「旅行用」「何かあった時用」など、自由に名前を付けて複数の口座を持つことができます。口座間の移動指示はアプリ上で行うことができ、手数料もかかりません。また自動振替機能を利用することで「毎月10日に代表口座から車検用口座に5000円移動する」といった設定を行うことができます。給料日の翌日に振替設定しておくことで、自動先取貯金を実現できます。お金の使い方が下手な私たち債務者にはピッタリの機能です。
ハイブリット預金口座
これは上級編になりますが、後述するSBI証券との連携機能になります。普通預金の代表口座からハイブリット預金口座に現金を移動すると、SBI証券の買付余力に反映され、有価証券の買付に使用することが出来ます。通常は証券口座に現金を移動するために数時間、休日を挟む場合は2日程度かかるものですが、ハイブリット預金口座に現金を入れておけば、いつでも投資に使用することが出来ます。
日本円以外の預金
SBI証券の証券口座を開設しなくても、米ドルを始めとした外貨預金、純金積立などを、アプリで簡単に行うことが出来ます。「⑥証券口座で現金を守る」を読んで頂ければ理解できると思いますが、債務者は現金があれば使わずにはいられない生き物です。現金をすぐに引き出せない状態にして預けておくことで、現金を守ることができます。
「給与-返済額-生活費=貯蓄」という公式は単純ですが、それぞれの項目を正確に把握できているでしょうか?「給料が大体いくら入ってくる」というくらいしか認識していない方も多いと思います。それが別に恥ずかしい事ではありません。だから私たちは債務者になったのです。
そんな私たちには自動で収支を計算してくれる家計簿アプリが必要です。今回は私が7年間利用し続けているマネーフォワードmeの機能をご紹介します。
銀行口座やクレジットカードの自動記帳
最近の銀行やクレジットカードはホームページのマイページにログインすることで、残高や利用履歴が確認できる事が多いと思います。この際に使用するログインIDとパスワードを、マネーフォワードに入力することで口座連携を行います。
一度連携してしまえば「クレジットカードで支払いを行った」「銀行口座から電気代が引落しされた」という情報が自動で取り込まれマネーフォワード上で全てのお金の流れを一目で確認できるようになります。記録されたデータには「食費」や「日用品」などカテゴリ分類を設定し、毎月何にいくら使っているかが振り返れる様になっています。
この連携機能を活用するためにも先述のネット銀行口座開設をオススメしていました。マネーフォワードとの口座連携数には制限があります。クレジットカードを複数枚使用している方は有料会員になることで、無制限に口座連携できる様になります。最初はもったいないと思うかもしれませんが、家計簿を見える化し、支出の内訳を把握することで確実に節約に繋がります。課金額以上のメリットがあるため前向きに検討してみてください。
負債の管理
クレジットカードと連携している場合は、次回の引落日と金額が表示されるようになります。このアプリを使用しなくても、クレジットカード会社のサイトにアクセスすれば確認できるかもしれません。ですが多重債務者の方はアプリ1つで表示することができる便利に感じられるでしょう。
またカード以外にも自動車ローンやショッピングローンの負債を入力することができます。自動連携に対応していないことが多いため、手入力になる場合がありますが。返済履歴が視覚化されるため、順調に返済が進んでいれば右肩下がりのキレイなグラフを見ることができます。返済生活のモチベーションを保つために役立つことでしょう。
家計簿アプリの記録が数ケ月分たまってくると、毎月何日に何の支払いが行われているかが見えてきます。それらをgoogleカレンダーなど、カレンダーアプリに転記してみましょう。「次の給料日までに残高がいくら入っている必要があるのか」「毎月の返済合計金額がいくらなのか」「手元にいくらの現金が残るのか」現金の流れを記録して視覚化することで、管理が圧倒的に楽になります。
慣れてきたらクレジットカードの締日を意識して「今月使い過ぎかも、あと3日で締日だから買い物は来週にしよう」といった考えが出来る様になります。思いつきで買い物をしなくなることで、計画性が身に付き、余計な出費が少なくなっていきます。
ネット銀行の資産移動や家計簿アプリの口座連携と同様に、カレンダーへの記入も自動化していきましょう。カレンダーのリマインドを使用して「毎月5日/アコム25000円」の様に設定してみましょう。一度設定してしまえば完済するまで、毎月カレンダーを埋め尽くしてくれます。意志が弱い私たち債務者には、視覚化と自動化はプレッシャーと達成感でモチベーションを保つための大切な作業です。
③でも少し触れましたが、現金があると使ってしまうのが私たち債務者です。私は節約と家計管理で浮いた余剰資金を有価証券に変えることで支出を防ぐ作戦を取りました。住信SBIネット銀行とSBI証券の組合せが便利なので、今回はそれらを利用する前提でお話しします。
有価証券は売却できる
有価証券とは株式や投資信託などの金融商品のことで、それらを購入することを投資と呼びます。投資と聞くと「ギャンブルみたい」「借金返済優先でそんな余裕がない」と思う方か多いと思います。
私にとって投資は「簡単に引き出すことができない貯金」です。例えば投資信託の銘柄には「ほとんど値動きが無い、長い年月をかけて少しずつ値上がりしていく」という銘柄があります。選び方を間違えなければ大きな損をするリスクを極力減らし、購入額と同等あるいはプラスで売却することができます。
SBI証券では100円から1円単位で購入できる銘柄があり、売却も好きなタイミングで行うことができます。優良銘柄の多くは手数料も0円で、NISA口座を活用することで税金も発生しません。この辺の話はより詳しい専門家がたくさんいるので、気になる方は調べてみてください。
有価証券の購入や売却にはタイムラグがあります。「今月20000円浮いたから投資信託にしておこう」と思った場合、買付注文をして購入が完了するのは2日後です。「今月ピンチだから投資信託を売却しよう」という場合も同様で、今日明日すぐに現金化することは出来ません。計画的な運用計画が求められます。
銀行の普通預金口座に現金が入っていれば、衝動的に何かが欲しくなった時に現金を下ろしてしまったり、デビットカードを使用して買い物ができてしまいます。口座に余計な現金が無く、有価証券になっていれば売却操作の手間と、入金までのラグがあるため面倒くさく簡単に引き出そうとはなりません。
お金の使い方がヘタクソな私たち債務者だからこそ、証券口座を利用する価値が出てきます。また銀行からは資産運用への興味や意識を感じる材料となりえるため、社内の与信情報にプラスのデータとして記録されることも期待できます。
定期買付設定で先取り貯蓄
ここまでの項目で何度も「自動化」についてお話してきました。有価証券の管理についても自動化できることがあります。それが定期買付設定です。毎月決まった日に、決まった銘柄を、決まった金額で購入してくれます。
あくまでも私にとっての投資は貯金の一部です。例えば3ケ月後に60000円の支出が確定しているとします。今月から3ケ月間、毎月20000円ずつ投資信託を買いましょう。この作業を毎月給料日の翌日に自動で行うという設定をします。これで私は何もしなくても、3ケ月後の予算を準備することができます。あとは支払前に売却を済ませて現金化するだけです。
給与支給日直後に買付を設定したのは、買付に回す現金が無くなってしまうことを防ぐためです。私は私を信用していません。目の前に現金があれば必ず魔が差し無駄遣いしてしまいます。機械的に現金を手元から話すことで、確実に現金を守る手段が投資です。
ここまで何度も言ってきた内容を繰り返しますが、まずは手元に現金を残すために、収入と支出の金額を把握することが重要です。家計簿アプリやカレンダーアプリを使ってお金の流れを見える化しましょう。そして手元に残った現金は、有価証券に変えて一旦手元から放しましょう。有価証券は本当に必要な時に現金に戻すことができるので安心して運用しましょう。
普段の生活ではクレジットカードやデビットカードを活用して、銀行や信用情報機関にプラス情報を溜めていきましょう。証券会社での資産運用も含めてクレジットヒストリーの改善を加速させます。
節約と家計管理を続けて、毎月の返済が安定していけば確実に借金地獄脱出に近づいていきます。
●返済生活を安定させるためのステップ
・支出の見える化で使いすぎを抑止
・余剰資金が出来る体質への家計改善で、返済に充分な資金を残す
・すぐに引き出せない預金(有価証券)で衝動買い抑止
☆借金地獄は辛く険しい道のりですが、コツコツ真面目に返していけば明るい未来が待っています
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